『2007なら・グッドデザイン』優秀賞に百僧の茗茶が選ばれました。
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No.4039 百僧の茗茶 60g 3000円
唐の陸羽が記した茶についての聖典である「茶経」(七五八年〜七六一年の間に書かれた)には、茶の製造方法と飲み方が要約すると次のように記されています。それによると、最初に茶葉を蒸して臼でついた茶を固めて乾かします。そして、その乾いた茶に穴を開け、竹串を通して、下から火で焙って出来たのが「餅茶」です。この茶を削り、碾(薬研)で粉末にします。それをふるいにかけ、出来上がった粉末茶を湯の中へ入れて飲みました。(茶経詳解より)
そこで我が国における喫茶の最初の記録は、古く天平元年(七二九年)に聖武天皇が「宮中に百人の僧を召して茗宴を賜った」と公事根元に記されています。天平時代に朝廷のあった大和の地に初めて喫茶の習慣が生まれたことがうかがえます。おそらく、この時飲まれたお茶は、唐より持ち帰った「餅茶」を薬研で粉末にしたものであったと推察されます。尚、大同元年(八百六年)には真言密教の修行のため、唐へ渡っていた空海が持ち帰った茶の種子を佛隆寺の高弟開祖堅恵大徳に宇陀市榛原区赤埴に蒔かしめその製法を伝えました。これが茶樹の栽培についての最も古い伝承です。その時、空海が唐より持ち帰ったと伝えられる「茶臼」が佛隆寺に所蔵されています。
弊店では歴史を遡る事千三百年、古く天平時代に我が国で最初の喫茶の習慣が此処、大和の地におこり、その時飲まれていた茶が粉末茶であると推測し、粉末茶の発祥の地、大和より「百僧の茗茶」として、また粉末茶を入れる容器「合」も当時と同じく竹製で再現しました。天平の文化を偲び、伝統の豊かな味わいを心行くまでご賞味頂ければ幸いです。
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