お茶の味の秘密

一般に渋味の中に甘味があるのが良いお茶であると言われています。緑茶の渋味の成分はタンニンです。また、今話題のカテキンが多いほど渋味も強いことがわかっています。主要なカテキンはエピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)など4種類です。緑茶のうま味の成分はアミノ酸です。その中で特に多く含まれているのは、テアニン、アルギニン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン酸で、上級のお茶ほど含有量は多く、品質も良いとされています。緑茶の渋味の成分はカフェインですが、ある程度の渋味はおいしく飲めますが、あまりに苦いものは飲めません。カフェインは、1・2番茶とも含有量はそれほど差はありませんが、カテキンは2番茶が、アミノ酸は1番茶が多いと言われています。

お茶の選び方

お茶の評価は大雑把に言えば普通蒸し茶と深蒸し茶で違います。ですから、お茶を選ぶ場合は茶店を選ぶことが大切です。つまり、その店が普通蒸し茶と深蒸し茶のどちらを扱っているのか見極めなくてはならないのです。次に先述した2種類のお茶のどちらが自分に合うのか決めなくてはなりません。最後にお茶をよく観察して購入しなくてはなりません。外見では形が小さくて細くて緑色が濃いもの、触れてみてしなやかなもの、香りが芳香で奥深いものを選びます。水色は普通蒸し茶の場合はやや黄色で透明です。深蒸し茶の場合は緑がかっており濁っています。

お茶の保存方法

開封前の場合は2つ考えられます。茶袋の中に窒素ガス(真空)、または脱酸素剤が入っている場合と、何も入っていない場合です。前者の場合、高温の場所に置いておかない限り、常温では6ヶ月位は品質は変化しません。もっと長く保存したい場合は、冷蔵庫に入れておくと良いと思います。後者の袋に何も入っていない場合は、日々お茶が酸化し、劣化していき、水色が赤みを帯びたり、香りがなくなったりして味が悪くなります。お茶袋を開封してしまえば状況はどちらも同じで、空気と触れないよう密封して涼しい所に置いておき早く飲みきることが大切です。

お茶と水

お茶をおいしくいれるには水が大切です。水道水のようにカルキが入っている水を使うと、どうしても味も香りもおいしくありません。その場合は水道水を2〜5分位沸騰させ、カルキをぬいてから使用して下さい。また、お茶を美味しくいれるには、お茶の品質も大切ですが、それ以上に水の品質が大切になってきます。お茶に適した水の条件としては硬水よりも軟水が良いとされています。ミネラル・酵素・炭酸ガス等が適度に含まれていて、有機物・鉄・マンガンなどが少ないことも大切です。それからカルシウムが多く含まれているものはお茶には向いていません。

お茶の栄養と成分

お茶の栄養とその効果については次のようなものがあります。
1.緑茶カテキンの抗菌効果
2.緑茶カテキンの消臭効果
3.ビタミンCのうるおい効果
4.緑茶カテキン・βカロチン・ビタミンCの認知症の予防効果
5.緑茶カテキンの発ガン作用抑制効果
6.緑茶カテキンの成人病予防効果
7.緑茶カテキン・ビタミンEの老化防止効果
8.緑茶カテキンの解毒・殺菌作用で食中毒防止効果
9.ビタミンB群・多糖類の糖尿病予防効果
10.カフェインの記憶力・集中力の高揚
11.ビタミンCの美容効果
12.緑茶カテキン・ビタミンCが煙草のタール・ニコチンの害を減少
13.緑茶カテキン・ビタミンCのインフルエンザの感染防止効果
14.粉末緑茶で飲むことにより、食物繊維の大腸癌の予防効果

珍しいお茶

弊店のショーケースの中に団茶があります。このお茶は10〜20年位たっても瓦のように硬く固まっています。おそらく、保存・携帯用に作られていて、これを削り、釜で炊きだして飲むものと思われます。これは推測ですが、陸羽の記した茶経に書いてあるへい茶の作り方に似ていると思います。餅茶は茶葉を蒸して、臼でつき固めて作ります。

新茶がおいしいわけ

新茶といえば八十八夜。この時期に採れたお茶が香味が最も豊かなお茶で、前年の秋から根に十分な養分を蓄え、その息吹を茶葉に伝えています。その養分を沢山含んだ茶葉の新芽だけを摘んだお茶が新茶なのです。この頃の気候は、朝はわりと寒くても昼は温度が上がり、それとともに地面の温度も上がって根の活動が活発になっています。日射しが強すぎることもなく茶葉に当たり、日に日に新芽が伸びていきます。この気候が新茶の味と香りを作っています。八十八夜の新茶はみずみずしい味と若葉の香りが特徴です。

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